清水研究室 x SDGs

わたしたちは、細胞内にある『代謝』反応を解析し、SDGsを達成します。


動植物から生まれた再利用可能な有機性の資源の活用

海洋性のバイオマスは将来的な水資源の枯渇を克服できる可能性を秘めています。わたしたちは、微細藻類の代謝変動をin silicoデザインして、バイオマス生産や光合成能をいかに増加させるなど代謝改変の戦略を導き出すことを目指しています。

バイオマスとは

動植物から生まれた再利用可能な有機性の資源であり、主に木材、海草、生ごみ、紙、動物の死がい、ふん尿、プランクトンなどを指す。

in silico とは

実験や測定に関連するシミュレーション計算など、実際に対象物を取り扱わず計算で結果を予測する手法

清水先生

二酸化炭素の低減とバイオエタノール生産による新しいバイオエネルギー生産システムの構築に貢献したいと考えています。

「代謝フラックス解析」で微生物を用いた化成品や燃料などの生産を目指す

わたしたちは、「13C-代謝フラックス解析法」を開発して、生命の基本システムを研究しています。微生物を用いた化成品は将来 石油化学製品の代用品になり、石油資源枯渇や二酸化炭素問題の解決に繋がります。

代謝フラックス解析とは

生命活動によって生じる代謝物質を網羅的に解析するメタボロームデータをベースに、代謝反応の大きさを解析すること。異なる環境や生物種においてこの代謝フラックスを比較解析することは、生物の生理状態の違いを理解することができる。

13C-代謝フラックス解析とは

代謝経路中にある微生物を高度化させるため、13C 標識された炭素基質をメタボロームに追従してフラックス解析すること。

戸谷先生

また、「13C-代謝フラックス解析法」を利用することで、微生物の代謝の状態を理解し物質生産を向上させる代謝状態に作り変えるヒントを得ます。

有用物質を生産する微生物の遺伝子を探索し、頑強に働く細胞を開発

酵母や大腸菌などの有用物質の生産する能力や産業上有用な特性を持つ微生物を遺伝子操作し改良しています。ストレス耐性に強い微生物を創製して、バイオマス資源の利用性を拡大するための生産・育種を開発しています。

有用物質とは

微生物が作る人間にとって役立つ物質の総称である。また発酵食品や生体内で働く酵素や薬となる抗生物質などを生産する物質を指す。

二井手先生

バイオ化成品や燃料の生産に役立ちます。

大気や排気ガスなどに含まれている二酸化炭素(CO2)を固定して排出量を減らす

炭素固定に必要な光合成は、微生物が光のエネルギー
を利用して水を分解し、酸素を作り、CO2を有機物に固定する働きです。わたしたちは、この微生物を生物学的な改良方法を用いて光合成する手法を開発しています。

清水先生

光合成を行う細菌の一つであるシアノバクテリアを改良して、より盛んに光合成をさせる細胞のデザインを行っています。これは温暖化の一因といわれる二酸化炭素の削減にもつながる研究です。