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消費ロス低減を推進し社会受容の形成をはかる。
私たちは世界の食料生産量の3分の1(約13億トン)が毎年廃棄されている中、フードサプライチェーンは何が出来るのかを検証しています。その中で、消費者へ届く前のサプライチェーン内で発生した「事業系食品ロス」は、日本特有の「3分の1ルール」が原因のひとつと考えられます。これは、製造から賞味期限までの3分の1を過ぎた食品は小売店の納品を認めない、3分の2を過ぎた商品は店頭に陳列されないという業界ルールにより廃棄されているという現実があります。
食品ロスと食品廃棄物のちがい
食品廃棄物は、まだ食べられる食べ物(=可食部)、魚の骨や食品加工段階で出る肉、バナナの皮など(=非可食部)のもともと食べられない部分の両方を合わせたものことを言います。食品ロスは、その可食部である食べられる部分を日本では定義しています。
小林先生
動画は、食品業界のサプライチェーンで普及している「3分の1ルール」を表しています。
このような「3分の1ルール」が慣習になってしまった理由は、小売業者の品切れを恐れたり、欠品すると店のイメージが悪くなり、客足が遠のく可能性があるので、それを防ぐために品揃えを良くしています。しかしながら、都市部の店舗が多すぎることもあり、社会全体の供給量としては過剰供給であり、売れ残った食品は返品され、最終的には食品ロスになってしまいます。
返品慣行はサプライチェーン内の生産者や小売との話し合いで、欠品は小売と消費者のコミュニケーションで、食べ残しの持ち帰りは客から店への意思表示で、良好な関係をはかることが重要です。
わたしたちは、これらの食品ロス抑制へ問題意識を高めることを推進していき、新たな社会受容の形成を目指していきます。