わたしたちは経済学の視点から開発途上国の貧困の原因を究明し、経済発展への有効な政策を探索しています。
グローバル化が進むにつれ、一国の政策が他国に与える影響が無視できなくなっています。そのため、国の経済政策も国家間の利害を調整しつつ進めていかなければならないケースが多くなっています。例えば、発展途上国の工業化を推し進めれば地球温暖化が加速しますが、地球温暖化の削減義務を担う先進国とは相反するものであり、各国との思惑にバランスが必要となります。
わたしたちは、互いにメリットを享受できる協調のあり方を調査して、夫々が経済成長できる適切な政策を提案できることを目指しています。
わたしたちは開発途上国において企業や農業生産者の国際競争力を高める実証調査をしています。
開発途上国の国際競争力を高めるには、高い環境基準や安全基準を求める海外市場に対して、適合する技術をもち製品を供給し続けることが重要です。これらの基準は消費者の安全という観点からは望ましいのですが、適合のための技術的費用が非関税貿易障害となり得るので、各国間の利害や貿易メカニズムの工程において、付加価値の調整などが必要です。
- グローバルバリューチェーンとは
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複数国にまたがって配置された生産工程の間で、財やサービスが完成されるまでに生み出される付加価値の連鎖のことである。生産プロセスを分割して、異なる国に分散させることで、コスト削減やスケールメリットの実現などを目指す。
わたしたちは、これらの影響を理解した上で、メリットを享受できる仕組みを実証手法によって、適切な政策を提言できるグローバルチェーンの確立を実現します。
わたしたちは、食品の安全性を確保するために技術的規制が貿易に与える影響を計量分析しています。
食品の安全性の確保は消費者の健康を守るために極めて重要です。輸入品に対する衛生植物検疫基準、貿易の技術的障害などの技術規制が厳しくなると、食品の安全性を確保できますが、規模の経済効果は小さくなり貿易が縮小されます。
では、食品に対する消費者意識に関する分析を紹介します。
- 市場レベルでは食品安全性に基づいて需要が変化
- 消費者レベルではより安全な食品に対して高い価格を支払う傾向がある
- 政策レベルでは、食品安全規制は生産者の利益と消費者のリスクを考慮し、開発途上国の供給者は食品の安全確保のための投資を行い、先進国への輸出機会を増やす必要がある
私たちは、技術的な輸入規制により各国の需要の増減の実態を検証し、それらのバランスに対して、互いにメリットを享受できる適切な対策を提言します。