内山研究室 x SDGs

わたしたちは「バイオ医薬品の開発」でSDGsを達成します。

バイオ医薬品の高度分析及び高品質化を目指す

1982年に米国で遺伝子組換えヒトインスリン製剤が承認されて以来、多くのバイオ医薬品が開発・使用されています。バイオ医薬品は一般的に副作用が少ないなどの利点があるものの、安定性が高くないといった問題もあります。わたしたちは、バイオ医薬品の高度分析を行うとともに高品質化を目指してます。

バイオ医薬品とは

遺伝子組換え技術や細胞培養技術などのバイオテクノロジーを応用して製造される医薬品であり、タンパク質等を有効成分としています。代表的なバイオ医薬品である抗体医薬品は、高い標的特異性があり、有害な副反応が起こりにくく効果が高いのが特徴です。

内山先生

有効成分であるタンパク質の性質を長期間にわたって維持することは容易ではなく、保存中に化学的、物理的変化が起こることがあります。そのような変化体は免疫原性をもつ可能性があり、投与したバイオ医薬の効果が低下したり、重篤な副作用を引き起こす要因になります。わたしたちは、バイオ医薬品の最先端分析法について研究を進めています。さらに、その最先端分析法を活用し、変化体の低減法の開発も進めています。

山口先生

タンパク質同士の相互作用を理解し、制御することは治療効果の高く安全なバイオ医薬品の開発に欠かせません。わたしたちは、これらのタンパク質相互作用の定量解析に取り組み、安全で効果の高い医薬品のものづくりに貢献します。

免疫原性とは

抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質。バイオ医薬品の変化体が免疫原性を持つ場合は、バイオ医薬品に対する抗体ができてしまい、薬効の低下や副作用に繋がります。

産学官の連携を通じて、医薬品の安全性にイノベーションを起こす

多くの共同研究が社会に還元されています。また 産学官共同研究にも参加しており、医薬品に関する規制づくりにも研究成果が活かされています。

鳥巣先生

わたしたちはタンパク質溶液だけではなく投与デバイスにも着目し、産学共同研究を行っています。投与デバイスの材質を改善することでより安全なバイオ医薬品の開発に繋げたいと考えています。

投与デバイスとは

バイオ医薬品は消化管内の酵素によって分解されることなどから、多くの場合注射や点滴によって投与されます。タンパク質の投与デバイス中での安定性を確保することも高品質なバイオ医薬品開発には重要です。

最先端分析技術を活かしてはたらく

産業界と密接に連携しながら、産業に直接貢献する仕組みのもと、確実な基礎知識と世界最先端の計測技術を生かした研究開発に取り組んでいます。効率的で効果的な働き方は私たちの研究室が目指すところです。

内山先生

無駄を省き集中した職場環境を整え、働きがいを求めているだけでなく、働きやすい職場づくりを目指しています。

安心・安全な食品の供給へ

抗体医薬の高度分析法及び高品質化の実績・計測手法は、食品にも適用し、食品工学分野への貢献も展開しています。

鳥巣先生

食品は多数の成分が混在する複雑系です。最先端の計測技術を使って複雑系を理解し、制御する新しい研究分野の開拓に取り組んでいます。