わたしたちは、 『バイオ医薬品開発』に必要な科学を研究することでSDGsを達成します。
「ヒト嗅覚受容体」を用いる匂い情報のデジタル化
ヒトの嗅覚受容体(OR)は約400種類存在し、世の中の数十万種類の匂い分子を認識していますが、「なぜ僅かなORで膨大な数の匂い分子を識別できるのか?」は長い間「謎」でした。わたしたちは、その受容機構を明らかにし、匂い情報のデジタルデータ化に取り組んでいます。
ヒトの感じる匂い全てをデジタルデータ化できる手法を確立すれば、Human Centricな次世代情報社会における重要技術となります。
「バイオナノカプセル」を用いるピンポイントDDS
わたしたちは、生体内で患部にだけピンポイントに薬物や遺伝子を高効率に送達するDDS用ナノキャリアを開発しています。
治療用薬剤の必要量を10%以下に減らすことで、副作用が強くても薬効の高い薬剤などの使用も可能になります。
「ナノレベル分子整列技術」による超高感度バイオセンサー
DDS用ナノキャリアであるバイオナノカプセルを応用して、様々なバイオセンシング分子(抗体、受容体、レクチン、アプタマー等)をセンサー表面に整列化させ、超高感度化に成功しました。
わたしたちは、従来の各種バイオセンシング技術をより高感度化・高機能化する技術に貢献しています。
「分子内翻訳後修飾」によるキノン系補酵素生合成
多彩な生理機能を有する酵素に含まれる補酵素は外界から供給されるのが主流ですが、タンパク質に予めコードされ翻訳後に補酵素を内部で生成するものがあります。わたしたちは、このユニークな補酵素生成機構を明らかにし、創薬技術に活用することを目指しています。
キノン系補酵素生成機構の解析を通して、創薬に必要な環状ペプチド生成機構を発見しました。
二成分伝達系を標的とする「新しい抗菌剤」の開発
わたしたちは、タンパク質構造解析技術を駆使して、バイオフィルム形成や病原性発現に関わる細菌二成分情報伝達系を標的とする新規抗菌剤の開発に取り組んでいます。
既に候補化合物を見出しており、今後の創薬シーズとして期待できます
「阪大発日本酒」の開発で社会還元
わたしたちは、阪大工学部と阪大産研発ベンチャー・ビズジーンと協力して、工学部が永年所蔵する酵母ライブラリーを活用して、「阪大発日本酒」を開発し、社会還元を目指しています。既に、名古屋大学大学院生命農学研究科において、名大農学部構内の八重桜から取得した酵母を用い、名大農学部発純米酒「なごみ桜」を開発し、2010年から毎年、名大関係者に販売しています。