<第3回(8/18)>
●「『食の総合知』大学へ~イノベーションへの挑戦~」
福﨑 英一郎(大阪大学 大学院工学研究科生物工学専攻 主幹教授)
2050年、世界人口が97億人突破するという爆発的な増加に伴い食糧不足が予測される一方で、毎年世界で生産される食料の3分の1にあたる13億トンは食べられるのに捨てられてしまう食品ロスは喫緊の課題です。大阪大学は食品の「生産・加工・保管・流通・消費」までに発生される食品ロスをエンジニアリングで解決し、さらには社会科学・人文科学の視点から消費者が食品ロスを自らつくらないようにする行動変容を推進していきます。
●「食と境界を超える健康~感染症と気候変動~」
住村 欣範(大阪大学 グローバルイニシアティブ機構 教授)
食べることは人間にとって必要不可欠であり、楽しみでもあります。しかし、日本の消費社会においては、食べ物の生産と流通の過程で起こっていることを知る機会はありません。食を含む人間の活動は、他の生き物や地球の「健康」に密接に関連し、人間の「健康」にも重大な影響を与えるようになっています。人新世と呼ばれるこの時代に、食と関連して起こっている感染症や温暖化などの問題について、海外のフィールドワークの知見を交えながら考えたいと思います。
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